【元人事が解説】第二新卒の転職はヤバいからやめとけの真相【転職の成功戦略も】

転職で悩んでいる第二新卒のA君
転職で悩んでいる第二新卒のA君

今の職場って正直辛いんですけど…

でも第二新卒で転職するのはやめとけってネットに書いてあったし、我慢したほうが良いのかな?

こんな疑問にお答えします。

✔ 本記事の内容

・「第二新卒の転職はやめとけ」の真相

・第二新卒が転職を躊躇しなくていい理由

・第二新卒で転職したい人の成功戦略

✔ 本記事の信頼性

☒大手メーカーで人事歴21年

☒29歳で転職経験あり

☒人事室長として中途採用の採否を決定

本記事を書いている私は大手メーカーで人事歴21年。私自身も29歳のときに転職エージェントを利用して地元の本社人事にUターン就職しました。人事室長として社会人採用の採否を決定しています。

この記事を読んでいるあなたは「できればすぐにでも辞めたい」という欲求と、「さすがに今辞めたら早すぎるよね……」というリスクとの葛藤でモヤモヤしているかもしれません。

確かに周りの人に相談したり、ネットで検索すると、「第二新卒の転職はやばい」とか、「第二新卒の転職は無理」といった意見や情報を目の当たりにします。

結論から言うと、

今の職場に居続けても将来性がないのなら転職したほうがいい』

です。

本記事では「第二新卒での転職はやめとけ」と言われる本当の理由と、スキルが貯まらないのなら転職もアリだという理由を解説します。

併せて、第二新卒で転職する人の成功戦略も詳説していきます。

10分ぐらいでサクッと読めますので、最後までお付き合い下さい。

尚、1人で転職活動を行おうとしている人はリスクが高すぎるので、必ず転職エージェントと転職サイトを併用して下さい。

私の転職の経験値と人事採用のキャリアに基づき、転職を成功させる方法過去記事で解説していますので、関心がある方は併せてお読み下さい。

「第二新卒での転職はやめとけ」という本当の理由

「第二新卒での転職はやめとけ」という本当の理由

周囲の人が「入社して間もないから転職はやめとけ」とか、ネット上で「第二新卒の転職はやばい・無理」といった情報が流れています。

それを見たり聞いたりすると、

転職で悩んでいる第二新卒A君
転職で悩んでいる第二新卒A君

本当にやめといたほうがいいのかな?

と躊躇すると思います。

ただ、この発言は昭和~平成初期に生まれた人の固定観念が大いに影響を与えています。

その固定観念を支える基盤が、

  • 石の上にも3年理論(精神論)
  • スキルがないのに転職は無理(スキル論)
  • 現職より給与が落ちる(待遇論)

です。

一方で、このようなことを言う人の中には「自分が転職したくてもできなかった事実」を正当化したくて、このような発言を行う側面もあります。

なので、属人的な要素ではなく、客観的データーに基づき、この固定観念が正しいのかどうかを検証していきます。

石の上にも3年(精神論)

最初の固定観念は「石の上にも3年」ということわざに代表されるように、昭和世代には「辛抱」や「我慢」を尊いものだと思う心が根強く残っています。

「石の上にも3年」、つまり最初は大変でも3年間ぐらい辛抱し続ければ成果が出る、逆を言うと3年ぐらいで辞めるのは我慢が足りないといった捉え方です。

確かに私の経験上、最初はつらくても段々と仕事に慣れてきて仕事が楽しくなるというケースもあります。

なので、将来的にスキルが習得できるという前提があるなら、現職に居続けてもいいと思います。

自分の先輩や上司を見ると、その将来性が見て取れると思いますし、今のうちに将来を見据えたスキルの習得を考えておく必要があります。

2045年にはAIやロボットが人間の知能を超え、人間の仕事の47%を奪う、いわゆるシンギュラリティが話題になっています。習得スキルを考える場合は喰いぱっぐれがないように、このような予測も視野に入れておく必要があります。

第二新卒の若い世代なら、まだやり直しもききますし、20代は「スキルの発見期」、30代は「スキルの確立期」だという考え方が大切で、今のうちに将来においても需要のあるスキルがマスターできる業界や職種にシフトチェンジするのもアリだと思います。

一方で、厚生労働省が発表している『新規学卒就職者の離職率』を見てみると、大卒は概ね3人に1人、高卒で5人に2人が3年以内に離職しています。

事業所規模で見ると、大企業なればなるほど離職率が低くなる傾向が見て取れます。

この数字を見て低いか、高いかは人によって異なると思いますが、少なくとも3~4割は新卒後3年以内に離職しているという事実は受け止めなければなりません。

転職で悩んでいる第二新卒A君
転職で悩んでいる第二新卒A君

新卒3年以内にけっこう辞めているのは分かりましたが、受け皿があるんですか?

このグラフは株式会社リクルートが発表した『若手の中途採用・転職意識の動向 』の中の転職決定者数の推移ですが、20代前半(20~24歳)の伸び率が急上昇していますね。

このデータは第二新卒に対する企業側の採用意欲が高く、実際に転職数が年々増えており、今後も右肩上がりで伸びるということが想定されます。

この傾向から、企業側も求職者側も入社3年以内での離職→転職に対する抵抗感が弱くなり、社会の許容度が増しているとことが伺えます。

なので、「石の上にも3年理論」は実態として既に形骸化していると言えますね。

スキルがないのに転職は無理(スキル論)

2つ目の固定観念「スキルがないのに転職は無理」というスキル論ですが、企業側が第二新卒を採用したがる理由を考えれば、誤解だということが分かります。

企業が第二新卒を採用する理由は下記のとおりです。

企業が第二新卒を採用する理由
  • 新卒採用の取りこぼしを補填できる
  • 教育コストがかからない
  • 最低限のビジネスマナーやスキルが身に付いている
  • まだ考え方がフラットなので自社の色に染めやすい
  • 若いのでま伸びしろや将来性がある
  • 挫折経験があるので成長意欲が高い

これらの理由からも分かるように、第二新卒にそこまでのスキルは求めていないことが伺えます。

なので、第二新卒の場合は「スキルがないのに転職は無理」ではなく、「スキルがなくても転職は大丈夫」ということが理解できますね。

尚、企業が第二新卒を採用する理由については、過去記事の『第二新卒の転職が怖いの真相と転職成功の極意』で詳しく解説しています。

現職よりも給与が下がる(待遇論)

第3の「第二新卒の転職はやめとけ」という固定観念として、「現職より給与が下がる」という待遇論があります。

第二新卒として転職すると、一般的には給料が下がると言われています。

ほとんどの第二新卒は未経験職に転職するので、扱いが新卒同様になってしまうためです。

新卒と同様の給与水準なので、転職しても給料が上がるとは限らず、むしろ低くなってしまう可能性が高いです。

そういう意味で、この固定観念は1つの側面としては当たっています。

ただし、第二新卒の転職で年収アップするのは無理なのかと問われると、もちろん上げる方法もあります。

転職で年収を上げたいことに関心がある方は、下記の方法であれば年収アップも可能なので参考にしてみて下さい。

転職で年収を上げる方法
  • 転職エージェントから年収交渉してもらう
  • 給与水準が高い業種に転職する(広告・インフラ・IT・商社等)
  • 同業種へ経験者として転職する
  • 成長している業界へ転職する(IT業界やWEB業界、ゲーム業界等)
  • 実力主義の企業へ転職する(ベンチャー等)

第二新卒が転職を躊躇しなくていい理由

第二新卒が転職を躊躇しなくていい理由

前章で「第二新卒で転職するのはやめとけ」という本当の理由とその固定観念が今の時代では通用しなくなった古い考えであることを示しました。

その上で、第二新卒が転職を踏みとどまる必要はなない理由をお伝えしていきます。

第二新卒採用の意識の変化

この10年で社会人経験の少ない若者に対する企業側の採用の意識も変化しています。

下図は株式会社リクルートの『若手の中途採用・転職意識の動向 』から引用したグラフですが、20代前半かつ社会人経験1年未満の採用実績がある企業は78.1%にも達しています。

企業規模が記載されていないので確かではないですが、大企業だけで見るとその比率は低く、主に中小企業がこの比率をけん引していると推察します。

この数値を見ると、私が人事採用を行っていた頃から考えるとあり得ない数値ですが、それだけ企業側が社会人経験が少ない若手を採用する意識がこの10年間で大幅に変化したことが伺えます。

要は第二新卒の転職にとっては追い風であり、この構造が今後スタンダードになりつつあるということですね。

なので、転職を躊躇する必要は1ミリもありません。

転職サービス基盤の充実

転職活動には転職サービスの利用が必須です。

求人の紹介からキャリア相談、書類の添削、面接対策まで転職エージェントが無料で実施してくれるなどのサービスの充実が雇用の流動化に貢献したことはほぼ間違いないです。

特に従来の総合型の転職エージェントに加えて、近年では20代や第二新卒に特化した転職エージェントも誕生し、ピンポイントでの相談や求人紹介等行ってくれるサービスが開始されました。

その中でも、『いい就職ドットコム』や『第二新卒エージェントneo』、『ウズキャリ』などの特化型エージェントでは一定の基準に基づき、ブラック企業を排除した求人を紹介してくれるなど、安心して転職活動に臨めるようなサービスも生まれています。

このような転職サービスの充実により、従来よりも第二新卒が転職しやすい基盤が確立されたというのも追い風になっています。

尚、過去記事で第二新卒におすすめの転職エージェントを紹介していますので、併せてお読み下さい。

自分に向いてるスキル発見のチャンス

第二新卒が転職を躊躇しなくていい理由の3つ目が「自分に向いているスキル発見のチャンス」だからです。

たまたま新卒で入社して配属された部署のスキルが必ずしも自分に向いているスキルだとは限りません。

そこでいくらガンバっても、スキルが上がらない場合は向いていない可能性だってあります。

特に「20代はスキルの発見期」で20代で様々な職種に挑戦して自分に合ったスキルを見つけるのが最大の目的です。

自分と相性のいいスキルを「30代のスキル確立期」で磨き、キャリアアップしていくことが肝要です。

やはり、人間なので自分に合うスキルや合わないスキルがあります。

私なんかは営業活動は向いてませんが、こうやってコツコツとパソコンに向かいながら文章を書くのは何時間でもできます。

たまたま配属された部署でマッチしないスキル磨きに時間を費やしてもコスパが悪いので、その場合はその会社で配置転換が許されるならいいですが、そうでないならば自分に合うスキルを発見するために転職する方が身のためだと思います。

以上の理由から、第二新卒の転職は躊躇しなくていい、必要ならばサッサと転職活動を行って転職することをおすすめします。

次章では、「では、どうやったら転職が成功するのか」といった成功戦略について解説していきます。

第二新卒で転職したい人の成功戦略

第二新卒で転職したい人の成功戦略

第二新卒で転職したい人が成功するためのポイントを解説していきます。

大きく下記の5つです。

第二新卒で転職したい人の成功戦略
  • 大企業より「隠れホワイト企業」を狙え
  • 年収等の労働条件は高望みするな
  • 現職を退職せずに転職活動せよ
  • 異業種・異職種も視野に入れろ
  • 新卒よりも即戦力で中途よりもコスパがいいことをアピールせよ

1つずつ解説していきます。

大企業より「隠れホワイト企業」を狙え

転職しようと決意したB君
転職しようと決意したB君

転職するんだったら、今よりも待遇のいい会社を狙おう!!

と思って、どうしても大企業や知名度の高い企業を狙いがちです。

気持ちはわからなくもないですが、リクルートワークス研究所が行った「第36回 ワークス大卒求人倍率調査」によると、従業員5,000人以上の大手企業の求人倍率は0.42倍です。

そのため、企業側にとってはわざわざ短期離職をしている、悪く言えば経歴に“キズ”がある第二新卒を採用するメリットは特にないのです。

加えて、人気のある有名企業だと、そもそも人が辞めないので第二新卒の募集が少ないのです。

募集していたとしてもかなり条件を厳しくして、足切りをしているので、「人気企業は難易度高い」と思っておきましょう。

ただ、チャンスはあり、求人サイトを使うとお宝求人が見つかるかもしれません。

そのためには日頃から大きく網を張り、求人の流れをウオッチしておくことが大切です。

人気企業は応募数を絞るために求人を非公開にしている場合が多いので、それをチェックするために求人サイトを使うといいです。

特にリクルートが運営する「就職shop」が人気で求人数も多いので、チェックしましょう。

\ ホワイト求人を知る /

就職Shopサイトへ

若手を採用したい企業は、あまり有名でない中小企業がほとんどです。

優良企業であっても人が集まりにくく、「未経験の人でも育てよう」のスタンスで採用に力を入れています。

業界内では有名で業績も安定してる優良企業であっても、無名であることから採用に苦戦しており、就職エージェントではそういった隠れホワイト企業を「第二新卒の20代」に紹介しているのです。

※以下の記事で就職エージェントの具体的な人気サービスを紹介してます。

\ 人気サービスを知る /

第二新卒におすすめの就職エージェントまとめ

年収等の労働条件は高望みするな

前章でも解説したとおり、第二新卒は新卒扱いになりますので、場合によっては前職よりも年収が下がる場合があります。

なので、年収等の労働条件を高望みすると、そもそも求人案件が見つからないケースが考えられます。

そういう場合は「生涯年収」という長いスパンで検討するのも一理あります。

要は転職時の年収というのは「瞬間風速的な年収」です。

それよりも、転職した後の長い期間でキャリアを積んで、実績を挙げて昇給や賞与に跳ね返し、累積の生涯年収で勝てばいいぐらいの長い目で見た戦略が将来的にあなたのためになるかもしれません。

現職を退職せずに転職活動せよ

次に現職を退職して転職活動を行うのはやめましょう。

退職して転職活動を行うと生活が困窮し焦ることにより視野が狭くなりますし、企業側も足元を見て、面接や年収交渉を行ってきますので、あなたにとって不利な状況に追い込まれます。

私自身も退職せずに、転職活動を行った結果、面接でも優位に立てましたし、年収交渉も強くプッシュできました。

退職して転職活動を行うことは、それだけで百害あって一利なしなので絶対にやめましょう!

異業種・異職種も視野に入れろ

先ほどもいったように20代は「自分に向いたスキルの発見期」なので、色んな業種や職種にチャレンジするのもアリだと思います。

あなたは会社が決めた配属で数ある職種の中の1つに当てはめられたに過ぎません。

世の中には無数の職種がありますので、もしかしたらあなたの才能が開花する職種が他にあるのかもしれません。

ただ、それだけはやってみないと分からないという部分が正直ありますので、そのためにはたくさんのことにチャレンジする、選択肢を増やすということが大切です。

尚、『リクルートエージェント』『リクナビNEXT』に登録すると、無料で適性検査が行えるので、新卒の就活の適性検査では教えてもらえなかった自分の適性が把握できます。

その結果に基づき、改めて業種や職種を選択すると成功する確率が高まりますので、ぜひ受けてみることをおすすめします。

新卒よりも即戦力で中途よりもコスパがいいことをアピールせよ

Bookマン
Bookマン

ところで、第二新卒の強みって何だと思いますか?

やはり、新卒よりもビジネスマナーや基礎的なビジネススキルが身に付いているので、教育コストがかからず、即戦力に近いいことです。

企業の人事は第二新卒に実績やキャリアは求めていませんので、そこをあまり強調しても、そもそもそこまでニーズがありません。

これからのポテンシャツや伸びしろをうかがわせる成長意欲をアピールしたほうが吉です。

さらに、中途採用よりも人件費を安く抑えられるというのが企業側が第二新卒を雇うメリットです。

なので、その点を「ウリ」として自己PRや面接を意識すると人事の欲求を刺激し、内定に直結しやすくなります。

まとめ

今回、「第二新卒での転職はやめとけ」の本当の理由を解説しました。

加えて、それは昭和~平成初期の人の固定観念の影響が強く、時代が刻々と変化し、企業側も入社3年以内の若手も転職に対する意識が変化していることもお伝えしました。

もう自分の向いていない会社や人間関係に縛られて我慢する時代は過去の産物です。

それよりも、自分の可能性に目を向けて、自分に向いている分野でスキル磨きを行うことが、将来的にあなたを救うことになります。

我慢する必要ないです。

第二新卒の需要は確かにあります。

データでもお示ししました。

転職サービスも充実してきています。

大企業でなくても、隠れホワイト企業も狙えます。

躊躇することは1つもありませんので、自分の心に素直に向き合って、答えが「Go」であれば、勇気ある一歩を踏み出して、自分の未来を開拓しましょう。

その前に絶対に退職せずに転職活動を行って下さいね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

Bookマン

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