【うつ転職した元人事が解説】うつ病の20代・第二新卒が上手に転職する方法

うつ病で転職を考えているAさん
うつ病で転職を考えているAさん

うつ病の20代でも転職できるのか知りたい。

うつ病で転職を考えているBさん
うつ病で転職を考えているBさん

うつ病の第二新卒が転職するには、どういったやり方があるのかなぁ?

こんな悩みや疑問に答えます。

✔ 本記事の内容

  • うつ病の20代(第二新卒含む)が転職できる理由
  • うつ病の20代(第ニ新卒含む)が上手に転職する方法
  • うつ病の20代(第二新卒含む)が活用すべき転職支援サービス

・大手メーカーで人事歴21年

・27歳でうつ病を発症し、休職しながら転職活動を行い、29歳でUターン転職

・転職先で人事室長に昇進したがうつ病を再発し、休職と復職を繰り返しながら、43歳で起業し退職。現在は妻と飲食店を経営。

この記事を書いている私は大手メーカーで人事歴21年。27歳でうつ病を発症し、休職しながら転職活度を行い、29歳でUターン転職しました。36歳で人事室長に昇進しましたが1年後にうつ病を再発し、休職と復職を繰り返しながら、43歳で起業し退職。現在は妻と飲食店を経営しています。

うつ病の時はネガティブなマインドになりがちで、復帰するのも地獄、転職するのも地獄といった辛い気持ちになりますよね。

うつ病になった場合は、まずは焦らずに休養して治療に専念することが大切です。

うつ病がひどい状態で転職活動を行うと、ネガティブな結果になる可能性が高く、選考過程でのストレスなども加わり、返ってうつ病が重症化するケースがあります。

私自身もある程度、うつ病が寛解してから体力・精神力が十分な状態で転職に挑みました。

うつ病になると転職できるのか不安になると思いますが、結論から言うと、

上手くやれば転職できます。

今回の記事では、その理由とうつ病の新卒者が転職活動をどのように進めていけばいいのかを、私がうつ病で転職したのリアルな経験値と21年間の人事キャリアをベースに解説していきます。

ここまで読んで関心がある方は、10分程度でサクッと読めますので、最後までお付き合い下さい。

うつ病の20代・第二新卒者が転職前に考えること

「クローズ就労」

or

「オープン就労」

うつ病の20代が転職活動を始める前に決めなければならない方針があります。

それは「クローズ就労」「オープン就労」のどちらで転職活動に臨むのかを決めることです。

クローズ就労うつ病であることを相手先に伏せて就職すること
オープン就労うつ病であることを相手先に開示して就職すること

どちらの転職形態で臨むのか悩ましいところですが、メリット・デメリットは下記のとおりです。

【クローズ就労】

メリット・業種・職種に制約がなく、転職の選択肢が広い
・難易度の高い仕事を任され、キャリア形成が図れる
・昇給や昇進スピードが早くなりやすい
デメリット・うつ病に対する勤務形態や職場環境の配慮がない
→通院や体調が悪い時に休みが取れない可能性がある
・うつ病を隠すことへのストレスがある
・うつ病がバレた時に会社との信頼関係を損ねる

【オープン就労】

メリット・うつ病に対する勤務形態や職場環境を配慮してくれる
→仕事の与え方、通院や体調が悪い時の休みなど
・うつ病を隠すことへのストレスがない
デメリット・転職の業種・職種の選択が限定的
・仕事が限定されるためキャリア形成が図りにくい
・昇給や昇進などの処遇が期待できない

これらのメリット・デメリットを比較考量しながら、どちらの形態で転職活動を行うのか、まずは決める必要があります。

なぜなら、どちらを選択するかで転職活動の進め方が変わるからです。

私の場合は、

  • 20代という若い段階で将来性をあきらめたくなかった
  • 当時はうつ病に対する会社側の理解が薄く、雇用環境も整備されていなかった
  • うつ病専門の転職エージェントがなかった

ことから、クローズ就労を選択し、4社受けて2社から内定を獲得しました。

しかし、内定をもらった1社から現職の会社に在職確認が入り、うつ病で休職していることがバレて内定取り消しになりました。

クローズ就労を行うと、そのようなデメリットもあるという認識が必要です。

それでは、次の章で「クローズ就労」での転職活動の方法を説明していきます。

「オープン就労」で臨むという人は、次の章はスキップして下さい。

うつ病の20代・第二新卒がクローズ就労で転職を成功させる方法

クローズ就労で

転職を成功させる方法

クローズ就労(うつ病であることを伏せて就職すること)は一般の転職活動法と同じです。

この章ではうつ病の新卒者がクローズ就労を成功させる方法について解説していきます。

転職支援サービスを使う

現在は転職支援サービスが充実しているので、それを使わない手はないというか、使わないと転職しにくい状況ですね。

企業もその辺りを知っていて、優秀な人材を採用するために、多少の投資をしてでも求人を転職支援サービスに依頼します。

なので、転職支援サービスに優良な採用案件が多いのが実態です。

転職活動形態として、「自力で行う方法」「仲介者(エージェント)を使う方法」があります。

加えて、「ネットを使う方法」「ネットを使わない方法」の2種類があります。

まとめると下表のとおりです。

ネットを使うネットを使わない
自力で行う転職サイト求人誌
仲介者を使う転職エージェントハローワーク

やり方は大きく4つありますが、自分に合ったやり方でやればいいと思います。

私がおススメする方法は、

「転職サイト」と「転職エージェント」の2つのサービスを活用する方法です。

私も転職にはエージェントを使いましたが、下記のようなメリットがあります。

転職エージェントを使う理由
  • 本人の希望を聞いて、あなたにマッチングする企業を紹介してくれる
  • 大企業や有名企業など優良案件が多い。他の求人には公開されていない非公開の求人も多数あり。
  • 履歴書や職務経歴書の書き方を指南してくれたり、面接対策も実施してくれる。
  • 転職活動で悩んだ場合に相談に乗ってくれるので悩みを1人で抱え込まずに済む。
  • 普通であれば不合格になるところをあなたに代わって企業側と交渉してくれるので合格になる場合もある。

このように転職エージェントは頼もしく力強い存在です。

もちろん無料なので転職活動を行う場合は、転職エージェントだけは絶対にハズせないですね。

別記事で転職エージェントを3社紹介しています。

うつ病で転職した経験値と人事採用の立場で転職エージェントを使ったキャリアの視点から20代や第ニ新卒に有用な3社を厳選しました。

「クローズ就労で転職活動を始めるぞ!」と決めたあなたは併せて読んでおいて下さい。

次に転職サイトを使う理由ですが、

「どのような求人があるのか?」を自分で探せるという点です。

基本的に転職エージェントでは「こういう案件がありますよ。」と紹介はしてくれるのですが、どのような求人案件があるのかまでは教えてくれません。

なので、転職サイトでどのような求人案件があるのか調べた上であなたが受けたい企業があれば、逆に転職エージェントにお願いして紹介してもらうことができます。

要は転職エージェントの機能にないところを転職サイトでカバーするといった感じです。

このように転職エージェントを軸に転職サイトを補完的に使うことがベストです。

私自身はハローワークや求人誌は転職で一切使いませんでしたが、それは求人のクオリティが低いからです。

基本的にそこに掲載されている求人は、地場の求人が多く、仕事面や待遇面をあまり期待できません。

私自身も人事で社会人採用する際には、ハローワークや求人誌には求人を一切公開しませんでした。

なぜなら、質の低い応募者がエントリーしてくるからです。

それよりも、転職サイトに公開して自らが面接に呼ぶ候補者を審査できたり、転職エージェントの担当者にフィルタリングしてもらう方がはるかに労働コストが省けます。

なので、質の良い求人案件は転職サイトか、転職エージェントに多いということを知っていたので、敢えてハローワークや求人誌は転職活動で使いませんでした。

次に、もしあなたが新卒3年以内で25歳前後なら「第二新卒」という枠もあり、有利に転職を展開できますので解説していきます。

関係がない人は読み飛ばしてOKです。

第ニ新卒の枠を使う

もしあなたが新卒3年以内で25歳前後なら「第ニ新卒」という採用枠を使えます。

就業経験がない既卒と異なり、第二新卒は、一度は就職したものの離職、数年のうちに転職や再就職を目指す場合を指します。一般的には、卒業後3年程度、おおむね25歳までを「第二新卒」として、一般の転職者とは分けて募集する企業が増えています。

引用元:マイナビAgent 第二新卒とは

『第二新卒』は就職氷河期で満足な就職しかできなかった既卒や大学新卒で入社後3年以内に3割退職するという状況に鑑み、厚生労働者がセーフティーネットとして打ち出した定義です。

マイナビジョブ20’sが中途採用実績のある652社に行った調査によると、少し古いデータですが、

企業の57.9%が第ニ新卒の採用に前向きです。

なぜ第ニ新卒に前向きかというと、理由は大きく3つです。

  • 意欲の高い人材を集められる
  • トレーニングコストを抑えられる
  • 年齢の偏りをなくせる

現在は従来のように育成コストをかける余裕のある企業が少なくなりましたので、できるだけ即戦力に近い採用を行う傾向が強くなっています。

もし、あなたが新卒後3年以内か、25歳前後であれば、第ニ新卒枠を使って転職エージェントと有利に転職活動を進めましょう。

それでは次の章で「オープン就労の転職活動のやり方」を解説します。

オープン就労しない方は、この章を読み飛ばして下さい。

うつ病の20代・第二新卒がオープン就労で転職を成功させる方法

オープン就労で

転職を成功させる方法

オープン就労(うつ病を開示して就労すること)で転職活動を行う方法を解説します。

オープン就労する場合は精神障害者保険福祉手帳を取得して「障害者枠」を活用することが可能です。

【参考】精神障害者保険福祉手帳の申請要領はコチラ

障害者として転職活動することに戸惑いがあるかもしれませんが、たとえば、心臓病でペースメーカーを入れている人も障害者ですし、下枝が不自由な人も障害者です。

私のいた会社でも、そのような障害者が所属していましたが、立派に仕事に従事していました。

現在は障害者に対する雇用の法的整備も進んでいますし、会社側の理解も進んでいますので、自分が「障害者」という認識を受け入れ、転職活動を行う方が有利です。

ここでは障害者として転職活動を行う3つの方法を解説します。

  • 障害者枠を使う
  • 障害者専門の転職支援機関を使う
  • 障害者専用の転職サイトを使う

などの方法で転職を円滑に進めることができます。

以下でそれぞれ説明します。

障害者枠を使う

厚生労働省の障害者雇用促進法の改正により、うつ病者が雇用されやすい法的整備がなされています。

・従業員が43.5人以上いる民間企業の雇用率は「2.3%」

発達障害を含む精神障害者が2016年4月より新たに雇用義務の対象

・雇用における障害を理由とする差別的取扱いを禁止(雇用拒否や低賃金設定など)

この法律を見ると、例えば従業員が100人いれば、うつ病を含める障害者を2.3人雇用することが義務付けられています。

もちろん、2.3人以上雇用すれば奨励金が企業側に入りますし、2.3人未満だと納付金(=罰金)を国に納めなければいけません。

加えて、現在はコンプライアンス(法的遵守)が企業側に求められる時代になりましたので、障害者の雇用確保は企業にとっての責務になってきています。

採用実態として、この「障害者枠」を利用すると採用されやすいのは事実です。

私自身も障害者雇用を行いましたが、まったく別枠で採用しますので、職場の受け入れが可能で本人の働く意欲と体調が万全であれば採用されやすいですね。

特に大手企業や有名企業などは「障害者雇用」に前向きなので、一般枠では入れない会社に採用される確率が高くなりますし、職場環境やノウハウなどの障害者を受け入れる体制が整っていますので、安心して働けますね。

障害者専門の転職支援サービスを使う

オープン就労の場合、障害者枠で転職活動を行うため、1人で活動するよりも転職支援サービスを活用した方が円滑に就職できます。

主な転職支援サービスは、

①ハローワーク

②(公的・民間)障害者就労移行支援事業所

③うつ病に特化した転職エージェント

です。

ここで、3つのサービスの機能とそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

「ハローワーク」はあなたの居住地にあり、窓口で障害者枠での求職申請を行うと、希望を聞いて案件を紹介してくれます。

ハローワークのメリット・デメリット

【メリット】

・居住地にあるので行き来しやすい。

・地場の求人案件が集まりやすく、通勤可能なケースが多い。

【デメリット】

・全国レベルの大企業や有名企業の求人案件は、ほぼない。

「就労移行支援事業所」は障害のある方の一般企業への就職をサポートする通所型の福祉サービスです。

就労移行支援事業所は、地方自治体から指定を受けてサービスを提供しており、全国には約3300ヵ所以上の就労移行支援事業所があります。

就労移行支援事業所のメリット・デメリット

【メリット】

・体調管理やコミュニケーションなど働き続けるために必要な知識を研修や職場実習で学ぶことができる。

・就職活動ではキャリアカウンセリングや応募書類作成、面接対策などのサポートを行う。

・職場定着支援では入社後の相談対応や企業への環境調整依頼などを行う。

・精神障害者福祉保健手帳がなくても利用できる。

・9割以上の人が無料で利用できる。

【デメリット】

・原則として離職中の者でないと通所できない。(例外あり)

・職業訓練が不要な人は転職エージェントの方が効率的。

・求人斡旋機能はないので、ハローワークと連携したり、本人の転職活動を間接的に介入する形態で支援する。

最後のうつ病に特化した転職エージェントですが、「障害者枠」の求人案件があります。

企業側も障害者雇用に前向きな状態なので最短で転職可能なサービスだと言えます。

障害者専門の転職エージェントのメリット・デメリット

【メリット】

・障害者枠の求人案件が豊富なので転職に直結しやすい

・専門のアドバイザーが付くので書類作成や面接対策を実施してくれる

・随時アドバイザーに相談できるので、1人で悩みを抱え込まずに済む

・企業側とのパイプが太いので企業側と交渉して内定をプッシュしてくれる

【デメリット】

・会社によっては東京・大阪などの主要都市しか利用できない場合がある

別記事でオープン就労でおすすめの障害者向け転職エージェントを紹介しています。

オープン就労の場合、転職エージェントを使わないと転職が難しい現実がありますので、「オープン就労で転職する」と決めたあなたは読んでおいて下さい。

障害者専用の転職サイトを使う

一般の転職サイトと同じように「障害者専用」の転職サイトがあります。

私のおすすめの転職方法は転職サイトであなたの気に入った就職案件を見つけたら、転職エージェントにお願いして紹介してもらう方法です。

この方法であれば、転職サイトと転職エージェントとの併用で全体を網羅したマッチング転職が可能になります。

無料なので障害者専用の転職サイトに登録しておきましょう。

転職サイトのメリット・デメリットは下記のとおりです。

転職サイトのメリット・デメリット

【メリット】

・ネットを介しての転職活動なので全国どこでも利用できる

・全国的な求人案件を把握できる

・1人で転職活動をしたい人には最強のツールである

【デメリット】

・転職活動の悩みや疑問を相談することができない

まとめ

うつ病の20代・第二新卒が転職活動を行う前に、まずは「クローズ就労」か、「オープン就労」を決める必要がありました。

あなたの人生の岐路となりますので十分に悩んで欲しいですが、あなたの今後のキャリアプランやうつ病の重症度や期間を考慮して考える必要があります。

仮にクローズ就労で入職できたとしても、仕事や人間関係のストレスでうつ病を再発する可能性もあり、その場合は返って自尊心を傷つけることになります。

逆に、オープン就労で就職した場合、想像以上にうつ病が完治して一般のように働けたとしても「障害者枠」での採用のため、キャリア形成を求めることができず、処遇も高望みができない状況になります。

「クローズ就労」で挑むのか、「オープン就労」を選択するのかの判断についても転職エージェントのコンサルタントに相談できますし、長年のノウハウを持っていますのでプロの目であなたにピッタリの答えまで誘導してくれます。

私の経験からすると、うつ病で転職活動する場合は不安がつきまといます。

その時に1人で不安を抱えると決して転職活動には有利に働かないので、いつでも相談できるコンサルタントがそばにいると安心ですね。

転職サイトと併用すると、更に満足のいく就職が実現できます。

どちらも無料で利用できますので登録しておくことをおススメします。

以上、私がうつ病で転職した時の経験値と人事のキャリアを通じたうつ病の新卒者が転職を成功に導くための方法を解説してきました。

この記事があなたの転職を成功に導くことをお祈りしています。

Bookマン

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