

履歴書の資格欄に書くことがないけど、空欄でいいのかぁ?

就活で資格の取得は本当に有利になるのか知りたい。
こんな疑問にお答えします。
✔ 本記事の内容
・就活に資格は意味がない理由
・資格がない時の書き方
・資格取得よりも就活でやっておきたい3つのこと
✔ 本記事の信頼性

・大手メーカーで人事歴21年
・人事室長として2,000超えの採否を決定
・脱サラ後、地方大学生に内定必須スキルを伝授し、全方位の業種より第1志望内定率93.9%を達成
この記事を書いている私は大手メーカーで人事歴21年。人事室長として2,000名を超える採否を決定。
脱サラ後、地方大学生に内定必須スキルを伝授し、過去6年間で全方位の業種より第1志望内定率93.9%を達成しています。→内定者の声
現在は実証済みの内定スキルをコンテンツ化し、就活コピーライティング、適職発見スキル、就活マインドマップ・トーク術などをUdemyやNoteで公開中!
色々な就活サイトの情報や就活記事を読んでいると、「就活で資格は優位に働く」とか、逆に「資格を取っても意味がない」とか賛否両論あって、就活生もどちらの情報が正解なのか振り回されている感があります。
人事の責任者として、2,000名を超える採用の合否を決定してきた私の結論は、
『基本的に資格は採用に有利に働かない』
です。
理由としては新卒採用の場合、
・人物評価やポテンシャルで選考を行っていること
・日本にはOJTで教える文化があること
・必要な資格は会社が入社後に取得させること
の3つです。
この内容をもう少し深掘りして詳しく知りたい方は、以下を読み進めて下さい。
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大手メーカーで人事歴21年。人事責任者として2,000名超えの採否を決定。脱サラ後、就活生に伝授したら大手から中堅まで全方位の業種から過去6年間で第1志望内定率93.9%を叩き出した秘匿性の高い実証済みの就活スキルをついに公開!!
就活に資格が意味ない理由3つ

それでは私の人事の経験値やデータを活用しながら、就活に資格が意味ない理由について、1つずつ解説していきます。
人物評価やポテンシャルで選考を行っていること
基本的に新卒の採用選考は、学生にそこまでの実績を求めていません。
学生が実績を出していたとしても、ビジネスのレベルから見ると高が知れていると思っているからです。
逆にあまり染まってない素直な学生を1から育てたいという企業があるくらいです。
実際にリクルートが行った企業1,234社のアンケート結果(企業が採用基準で重視する項目)でも、人柄が92.2%、自社/その企業への熱意が74.8%、今後の可能性が66.9%で上位3つを占めています。
このデータからわかる通り、企業が新卒採用で評価するポイントは、人物や入社意欲、今後の期待値など、人物評価やポテンシャルが合否に影響を与えていることが伺えますね。

引用:就職白書 2019 – 就職みらい研究所 – リクルート
一方で、資格取得が採用にどのぐらい影響を与えているかを見ると、9.5%の企業に留まり、1割も満たない実態が明らかになっています。
加えて、このグラフから認識できることは、企業側が重視している項目と学生がアピールしたい項目に乖離があるということです。
このギャップを埋めないと、面接でチグハグな受け答えになったり、ズレが生じますので、あくまでも企業側の選考の重視項目に沿ってアピールすることが大切です。
日本にはOJTの文化があること
就活で資格が意味のない理由の2番目としては、日本にはOJT文化があるということです。
日本では資格といった机上の空論ではなく、OJT(on the job training)で教えるという風土が根強いです。
OJTとは仕事を通じて実践的なスキルを身に付けることに重きを置き、資格のような「知っている」ではなく、OJTで「できる」レベルまで育成することを指します。
外資やベンチャー企業はOJTの傾向が薄かもしれませんが、特に日系企業では「資格を持っている=仕事ができる」とは捉えないので、採用選考にもその色彩が出てくるのが特徴です。
必要な資格は入社後に会社が取得させてくれること
3番目の理由としては、必要な資格は入社してから会社が費用を出して取得させてくれるからです。
たとえば、法的に必要な危険物取扱者や衛生管理者などは、会社の責任で資格取得者を雇用しなければいけません。
でも、すぐに必要かと言われれば、既に社員の中で資格取得者がいますので、新卒にそれを求めてくることはまずありません。
法的に必要でなくても、たとえばTOEICの試験を社内で実施したり、●●点以上は奨励金を出したりする会社もあります。
なので、敢えて新卒の段階で資格取得しなくても、必要な場合は入社後に会社が費用を出して受けさせるという点を理解しておいて下さい。
【例外】資格が必要な職種も限定的にある
これまで一般論を解説してきましたが、もちろん例外もあります。
たとえば、求人票に「採用に必要な条件」として「●●資格取得」と記載されていれば、その資格を保有していないと採用されません。
あるいは、資格がないと仕事ができない保育士や弁護士、税理士などの士業は資格取得が前もって必要です。
加えて、勤務地が海外拠点の場合や外国人と交渉する仕事に従事することが明確である場合は、前もってその言語を習得しておく必要があるのは言うまでもありませんし、経理職種の限定採用であれば、公認会計士資格を取得していたり、簿記の知識があれば加点要素になり得ます。
資格がない時の書き方

履歴書には「資格取得欄」がありますが、資格をまったく持っていない人は「何を書いたらいいの?」と履歴書を前にして考え込むかもしれません。
書き方としては、大きく2パターンです。
「特になし」でOK
まったく資格を保有していない、あるいは今後も取得する予定が無い場合は、資格取得欄の1番上に
『特になし』
と明記しておけばOKです。
資格もないのに何らかの資格を記載することは、経歴詐称になり、遡及して採用を取り消されますので、そのような人はいないと思いますが、念のためご注意下さい。
資格取得(予定)は書いてOK
資格を取得する予定がある人は、「●●資格(●月取得予定)」と記載するのはアリです。
但し、企業に響く資格でないと意味がなく、百害あって一利なしなので、訴求力がない場合は記載しないで下さい。
自動車運転免許証は書いておこう
特に地方に拠点がある企業や営業職採用がある場合は、「普通自動車運転免許証」は必ず書いておきましょう。
地方の場合、公共交通機関が発達していないため、自動車通勤が前提になりますし、営業職の場合は出張で社用車で外出する可能性があるからです。
自動車免許証を取得していない場合でも、「●●月に取得予定」と一言足して記載しておきましょう。
履歴書に書かない方がいい資格

履歴書の資格取得欄には記載しないほうがいい資格もあります。
それを見るだけで、有利になるどころか、空気が読めないと判定されて選考が不利に働く場合がありますので、注意しましょう。
業務や職種に関係のない資格
あなたが受けている会社の業務や職種に関係のない資格を記載するのはNGです。
たとえば、技術職の人が「秘書検定」と資格取得欄に記載していたら、どうでしょう?

うん!?なんのために書いたの?
空気が読めない人物なのかな?
食品メーカーの営業を受けているのに「フィナンシャルプランナー」と書いていたらどうでしょう?

家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度などの知識があるのね。
でも、うちには必要ないわ…
となります。
なので、あくまでもその資格を記載したら、その会社の人事が「おっ、これは役に立つ!!」とアピールできるような資格以外は書かないようにしましょう。
難易度の低い資格
たとえば、国際商社で英語力が求められる営業職を受けると仮定して、その履歴書に「TOEIC350」と記載されていたら、人事はどう思うでしょう?

英語力ないね。
これはダメだな。
ということで、その時点でアウトになります。
その他、合格率が100%に近いような少し勉強すれば合格できる簡単な資格もNGですね。
「こんなしょぼい資格でアピールしようとしてるの?」と足元を見られるだけなので、書きたい気持ちがわからないでもないですが、就活おいては不利になりますので、書くのをグッとこらえましょう。
資格取得よりも、やっておきたい3つのこと

資格を取得するとなると、資格の難易度にもよりますが多大な時間と労力を奪われます。
前述のとおり、そこまでして資格を取得するより、就活で大切なことにもっと時間を費やした方が賢いと思います。

じゃ、何をしたらいいですか?
ということで、大きく3つですね。
それが何かというと、
・就活準備
・長期インターンシップ
・読書
です。
1つずつ解説していきます。
就活準備
まずは就活準備ですよね。
就活とひと言で言っても、自己分析、業界分析、企業研究、エントリーシート作成、Webテスト学習、面接対策など、やることが目白押しです。
タダでさえ、やることが多いのに貴重な時間を、就活では意味のない資格取得に費やすのは時間のムダです。
とはいっても、就活の準備を何から始めればいいのか具体的にわからない人は過去記事の超簡単・実践的な就活の始め方【有料級】でまとめていますので、併読して下さい。
長期インターンシップ参加
次に時間を使うなら、「長期インターンシップ」に参加することをおススメします。
実際のビジネスシーンにおいて、ビジネスパーソンがどんな考え方でどんな振る舞いで、どんな発言を行っているのか、直に観察できるチャンスだからです。
また、「実務を学べる」という点も非常にメリットが大きいです。
ほとんどの大学生は就活の時期になっても営業職や技術職をすべてイメージだけで捉えています。
なぜかと言うと単純にやったことがないからです。
しかし、長期インターンシップに参加し、実際に営業職を経験していれば「自分が営業職に合うのか」という適性がわかります。
加えて、就活中に企業に対して「長期インターンで実際の営業経験を通じて…」という実体験を語ることができますので、説得力が増しますね。
営業職をイメージでしか捉えられない就活生を圧倒できるのは必然です。
さらに、面接でもビジネスパーソンに近いような発言や態度で臨めますので、即戦力として面接官に認知され、内定をゲットする確率が上がります。
1dayのような短期のインターンシップでは身に付かないビジネススキルが習得できますので、時間の余裕があるなら、ぜひ長期型のインターンシップに参加しておいて下さい。
読書
3番目は読書です。
読書の最大のメリットは、たった数千円で普通では会えない立派な人や活躍している人の考え方や経験を学習できることです。
その著者が数十年かけて体得した知恵やスキルをものの数時間で効率的に教えてもらえる点では効用が高いと言えます。
また、就活においては、面接の受け答えをする時のネタや引き出しとしても使えます。
たとえば、
「最近読んだ本の中でもっとも印象に残った本は何ですか?」
「その本から何を学びましたか?」
「あなたの座右の銘を教えて下さい。」
「就活の軸は何ですか?」
のような質問にも本を読んでおけば、即座に答えられますね。
学生はほとんど本を読みませんので、本を読んでおくだけでも、かなりのアドバンテージを持って選考に臨めます。
まとめ
今回、『基本的に資格は就活では有利に働かないこと』を解説してきました。
企業側も資格を採用で重視している割合は低く、その会社への入社意欲や熱意、人柄やポテンシャルを高く評価していることをデータでお示ししました。
但し、採用条件の中で「●●資格取得要」とか、「●●資格があれば尚可」のような条件が記載されている場合や、業務上で明らかに必要になる、あるいはその資格がないと仕事そのものが法的にできない場合は例外となりますので、ご注意下さい。
その上で、資格の取得に貴重な時間や労力を充てるぐらいだったら、就活の準備や長期のインターンシップ、そして読書などに時間を費やすほうが、よほど実効性が高いことを解説してきました。
この記事があなたの就活の成功にお役立てできれば幸甚です。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
Bookマン